10/12_UX SHIGA3

10月12日(月)に公開講座「UX SHIGA(成安造形大学UX研修プログラム)」の第3回目が開かれました。

第3回目では「コンビニにおけるゼリーの新パッケージを考える」という課題のもと、第2回目のオブザベーション(観察法)の結果から出した問題点を活かして「どんな人が、どのように(コンビニで)ゼリーを買って、どういう風に喜ぶのか」を考え、プレゼンテーションが行われました。

私たち情報デザイン研究会は前回同様、「WSをしている参加者」を観察しました。

 

 

困ってる人が「嬉しい!」と思うコトを考える。

プレゼンテーションにむけて、まず「ペルソナの作成」が始まります。

情デ研メンバーも“ウロウロ”観察開始です。

 

私の予想では、前回制作したボードを見て、皆で問題点を振り返るチームが多いと思っていたのですが、そうでもない……。

おそらく講義中の「ペルソナは自分と似ていない人を考えた方が良い」という浅野先生の言葉を受け、ひとまず色んな年齢・役職の人を書き出し「どんな年齢・性格の人なのか」と考えるチームが多いように見えました。

 

どうして前回1日かけてゼリーを食べる人を観察したのか?

 

浅野先生が「シート1よりシート2が重要」とおっしゃっていたように、以前の観察で着目した問題点を活かして「どういう問題で困っている人なのか」と考え始め、利用状況やゴールを提案し合い、ゼリーを用いたサービスを考えることの方が大切なのがわかります。

 

前回、作業ステップから事象へと書き出して、上から下へ進めてしまったが故に混乱したチームが多かったことと、今回、1番2番と書かれていて1から書き始め、重要度の低いところでこだわってしまい書き直すはめになった状況は似ているなと感じました。

シートの番号は完成したときの図を理解しやすくするための順番・位置であって、重要度は別。

いつのまにかコトでなくモノに心とらわれているという時も、早い段階で自分たちを宙から眺めることができていれば、「ハッ……私たちのゴールはあっちだった!」と気がつき、チームにとって最善な方法で行動できたかもしれません。

 

 

 

みんなで動く。みんなで考える。

そこでポイントとなってくるのは「皆で同時に手を脚を動かすこと」だと思いました。

 

気づいたこと

あるチームだけが全員着席でむむむ……と悩んでいる時がありました。まわりにはたくさんの人がウロウロと動いています。その対比がとても印象的な画でした。

 

その時の浅野先生からのお話。

手を動かしている人だけが考えていると言える。うーんと悩んでる人は考えていない。それなら歩いてまわりを観察している方が気づきを得られる」

 

また、ウロウロを1人でふらりと行うのか、全員で同時に行っているのかで差が出てくることにも気がつきました。

あるチームのAさんは、煮詰まってしまったときに1人でふらりと他のチームの様子を見に行きました。そしてある気づきを得たそうなのですが、チームへ戻ると他のメンバーは必死に作業をしています。そのときAさんは「今は言うタイミングじゃないな」と思ったそうです。そしてその後その情報が共有されることはありませんでした。もったいない!

 

一方、あるチームは「今から全員で書き出ししよう!」「今から全員で偵察しに歩こう!」と1つ1つの行動をみんなで行っていました。

そして、他のチームがパッケージのイラストを書き出しているのを見て「あ、モノを考えてる人が多い」と気がつき、チームへ持ち帰って「私たちはコトを考えようね」と発言しました。

 

「手を動かしている=考えている」を意識してチームを見ると、人の影響力にも気がついたような気がします。

あるチームでは学生があまり手を動かしていませんでした。1人の社会人がせっせと手を動かしています。話をうかがってみると、ペルソナの内容にその方の主観が盛られている。どうして?と質問をしてみましたが、それが主観だということに気がついてもらえませんでした。

後でその学生に話をうかがったところ、「こうした方がいいんじゃないですかと言っても響かせることができなくて、他の人たちも同調するだけで強く言ってくれなくてやりづらかった」と話してくれました。

 

そのチーム以外でもやきもきしている学生がいたようなのですが、私が恐ろしいと思ったのは「同調すること」です。

 

9月に参加した第17回情報デザインフォーラムにおける柳本浩市さんのお話の中でもありましたが、個人だと「今時誰が買うの?」と思うものでも、組織に入ると「これは売れる」といつの間にか考えが変わってしまうそうです。

 

まさにこれが際立って見えたチームがありました。

浅野先生にその時作っていたペルソナにダメ出しをされた後、「もう帰ろう」「ここで諦めたら負けな気がする(今の案で通すという意味)」「ネタだから」といった言葉をメンバーが次々と発するチームがありました。

 

それを聞いた私は時計を見ます。「まだあと30分あるのに……」

正直、活気があるように見えたチームだったので、残念に思いました。

 

先生曰く、「10人目の男になれ」

 

ブラッド・ピットの出てる映画の話で、

「9人までが驚異を感じなくても、『10人目』は反論する義務がある」というセリフがあるようです。(第17回情報デザインフォーラムのキヅキのWSにおいて、安藤昌也さんがファシリテーター役の人に「本当にそう思ったの?」「違うんじゃない?」と必ず言わせていたのは、まさに10人目を作るためだったのかも……!?)

 

先ほど挙げたチームの対角線上にいたチームでは、反対に「メンバーの熱意に救われた」という感想がありました。発言は拾えていませんが「そのアイデア既にあるよね」と切り出し、「私たちはあっちのゴールに向けてこれから頑張ろう」という呼びかけがあったのだと考えられます。

 

私も、うーんと悩んで煮詰まっている会議において「お昼いきましょう(このままでは良い流れにならない、一旦諦めよう)」と切り出すような、そういう人に……なりたいです!

 

 

落ち着いているほうが、まわりがよく見える

今回情報デザイン研究会は、1年生を含めた6人で「いつ どこで 誰が(どのチームが) 何を どのように」と5W1Hを意識しながら観察し、疑問に思うことは積極的に質問しようと話し合い、挑みました。

 

私は前回「全然人が見れない、どうしよう」と焦って集中できなかったことを思い出し、当日は最近買ったパジャマ(でも私服でもOKとうたった商品)を着て、ひとまずリラックスできるかたちで参加しました。結果、落ち着いていたので、前回よりチームごとの動きを比較して見ることができたと感じました。(決しておすすめはしていません。)

 

ちなみに、浅野先生曰く「健全な精神でいることは大切」だそうです。

私はギクッとなりました。笑

 

観察していて、やはりWS後半は特に焦っている人が増えたように見えました。

そういうときこそ、しっかりまわりを見ることが肝なのではないかと思います。

 

私も、参加者だったら焦ってしまってるんだろうな。

今回参加した情デ研の1年生は初めて観察者をしたのに、冷静に状況を把握していて「恐ろしい子たちだわ」と思いました(笑)

ノートに具体的にどういうメモをしていたなど、本当に細かいところまで記憶している。

たぶん必死なのもあるんでしょうが、それは私も同じはずなのにこう差がでてくるとは~悔しい!

情報デザイン研究会はWS直後にも振り返りをしてその日に気づきを話し合うのですが、その時の発見たるや。私も大小様々なところに目が行き届くように次回も落ち着いて、冷静に、がんばろうと思いました。

 

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最後になりましたが、第2回目のとき挙げた改善点を第3回目で実践できていたか反省。

1.「人が○○している」と考える

2. 質問を3回はする

3.「もし○○だったら」と考える(リフレーミング)

 

1→○

2→○たぶん10回近くはしたと思う

3→×

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第3回目は、今回もほとんどの参加者が「浅野先生にまんまとしてやられた」日だったのではないでしょうか。

先生曰く、「課題の“パッケージを考える”という伝え方はひっかけ。全てはサービス。」

WS中にこの話をきいてハッとしました。また私たちはこの部屋から出れていない……!

 

前回の反省から「もし○○だったら」と考える(リフレーミング)と意識していたはずなのに、全くできていませんでした。がーん。

 

さすが、浅野先生は「この案だと、もしゼリーに便通よくする成分が入っていたら、家族が毎日勝手に食べて、快便になって、このお母さん喜ぶよね」とか「たとえばピンクのゾウを考えないでくださいと言うじゃん」など、「もし」「たとえば」の言葉をよく発言なさっています。

 

他にも、駄菓子屋のゼリーのかたちや素材に私たちは捕われていたりもする。

 

私たちはこのような先入観や、この部屋限定の出来事なんだと思い込んでしまうなど、本当に、簡単に1つのものごとにとらわれてしまうのだなと改めて気がつきました。

ひきこもってはいられませんね。

 

次回は

1.「もし○○だったら」と考える

2.   メモなどの細かいところにも注意して見る

3.   私たちを宙から見てみる

 

ということを意識して次回に挑みたいと思います。

(WS中の浅野先生の発言は、前回で言う改善のヒントのことが多いので、要チェックです!)

 

※もし失礼な言い方をしておりましたら申し訳有りません。

 よければこっそり教えてください。