11/14 UX SHIGA4

11月14日(土)に公開講座「UX SHIGA(成安造形大学UX研修プログラム)」の第4回目が開かれました。

第4回目では「最悪の旅」の体験をもとにカスタマージャーニーマップを作成して、体験者がどういうところを苦痛に感じていたのかを見つけ、新たなサービスを考えるということが行われました。

 

私たち情報デザイン研究会は前回同様、「WSをしている参加者」を観察しました。

今回のWSには「モヤモヤ怪獣」があらわれた!と私は思いました。

そして私たちは、はじめからおわりまで皆「モヤモヤ」を抱えて帰宅した……

重い腰をあげて振り返りをします▼

 

 

 

観察で気づいたこと

人を理解して、新しいサービスを考える(改善する)

カスタマージャーニーマップについての講義を終え、

まずはチーム内で「最悪の旅」をインタビューしあって、最もプロセスが明快な旅の持ち主(リードユーザー)を選びます。

 

ここでは、浅野先生から「プロセスが明快なもの」と注意されていたのですが、中には「話がききやすく理解しやすいもの」を選ぶチームがあったようです。後々参加者に聞いてみたところ「なんとなく」という回答や、学生は特に「いつの間にか○○さんの話が選ばれていた」など、「誰かが決めた」という回答を複数聞くことができました。

 

浅野先生曰く「旅で人はサービスと出会っている」

 

どうして旅が“最悪”になったのか?

それは“最高”な体験ができると期待していたのに達成できなかったから。

じゃあどうしたら最高になったのか?

サービスを受ける人の行動と感情を挙げ、その人の価値観を理解することで解決策のヒントを得られるのではないか。その方法の一つとしてカスタマージャーニーマップを今行っている。

 

「今回のWSは、話の選び方で失敗したんだな~」と思った人が多いのではないでしょうか。

しかし、私が一番もったいないと感じたのは、

プレゼンテーションにおいて、あるチームが浅野先生に「この人のゴールって何?」と質問されたときに「(観光地)に行くこと」と答えたように、「どんな人がどのようなサービスを期待して何が起こって苦痛を感じたのか」と、体験者の求めていたゴールが不明瞭なまま進めてしまったところです。

浅野先生が「ただ面白い話を選ぶのは間違い。旅は人とサービスがセット。そのサービスが改善できるものじゃないとだめじゃん」とおっしゃっていたように、ビジネスにつなげることを心がけていれば、結果は変わっていたかもしれません。

 

WS冒頭の浅野先生曰く「人を見る能力をつけることが重要」

 

社会人の方の中にはカスタマージャーニーマップのやり方を社内に共有することが目的の人がいらっしゃるとは思いますが、

技法を理解する一方、「人の価値観に気づこうという姿勢を身につける」こともまた、自分のためにもWSを成功させるためにも鍵になると思いました。(これは私たち観察者も同じだなあ)

 

たしかに、遅刻者が多かったために開始時間が遅れ、プロトペルソナの作成や脳内マップ作成の時間がしっかり設けられませんでしたが、それを理由にしてはならないですね。

 

 

 

ゴールのかたちを見据え、最善の道筋を常に考える

皆さんの進め方は、

カレー作りに例えるなら、どのチームも最初から全ての野菜をみじん切りして一斉に炒め始めたような印象を受けました。(昨日カレーを作りましたw)

 

後々考えると、インタビューの時に書き出すべきことはタッチポイントのみだったのですが、

はじめから、タッチポイントや感情、思考など後々書くであろうことを全て書き出すチームが多かった。

(先生が「まずタッチポイントだけ書くんだよ」と何度もおっしゃっていたのは、本の目次をまず書きなさい~というような意味だったのかなと思います。)

 

ここで気がついたことは、やっていることに大きな差が見られないことです。

はじめは私の風邪熱と鼻づまりと教室のもわもわとした空気のせいでちゃんと見れてないだけなんだと思いましたが、やはりどのチームもみんな同じ動きをしていて、全体が一つの塊のように見えました。(名付けてモヤモヤ怪獣)

差がないことはおかしいことではない……でも成功しているようにも見えない……。

 

不安を感じて教室をうろうろしてみたが気づきを得られずモヤモヤして席に戻った人も多かったのではないでしょうか。

少ない時間の中カスタマージャーニーマップを見える形にすることに必死なあまり、自分達やまわりの行動を見て落ち着く余裕がない状態だったのだと思います。

 

浅野先生曰く「最終的アウトプットのかたちを理解しておくことが大切」

 

最終的かたちを考えた結果、効率的だと思ってインタビューの内容を全て書き出すチームが多かったのかもしれませんが、まず構造をハッキリさせる方が大切(進めやすいから?)。また、先生が後で「それは間違いでした~」という風に教えるのは、

 

浅野先生曰く「人は先に走ってからでないと失敗が分からない」

 

と、失敗させるように仕組まれているので、私は先生の教え方がよくないとは言えないと思いました。(参加者が悔しい思いでいっぱいになるのはよく分かります)

 

 

 

観察者として反省

人を見なさい

実は、参加者だけでなく私たち観察者もモヤっとしてました。

前回まではチームごとの行動に分かりやすい差があったので、比較しやすかった。

けれども、今回はどのチームも行動が似ていた。

途中から、書き方などに何か違いがあるかと思って(チームのやっていることを理解しようと思って)カスタマージャーニーマップを見始めましたが、何も気づきが得られず……

成功パターン?ある?

あれ、私たち何のためにしているんだっけ?と、目的がわからなくなり放心状態でいました。

 

そして浅野先生が「何しわ寄せてるんだよ」と様子をうかがいに来てくださり、

「カスタマージャーニーマップじゃなくて人を見るんだよ。」とアドバイスをくださいました。

 

私は「ハッ……モノばっかり見ていた!」と気がつきます。

 

(そして、私は特に、1人でなく1チーム単位で見るくせがついていることに気がつきました。

そうやって見ようと心がけてはいたのですが、普段からこうなるとよくないと思いました。

ちゃんと1人ひとりを見るように気をつけなきゃ。)

 

ゴールは1つじゃない

私たちにはできることがないと思ってしまいました。(成功パターンが見えない)

しかし、今思えば参加者のためにできることがあったんじゃないか。

それは気づきを得るサポートをすることです。

 

第4回では、実は質問が1回もできませんでした。

というのも、インタビューを邪魔するわけにもいかないし、皆さんが必死そうだったので遠慮していました。

その時の私は「どのチームも同じ動きをしている」ことには気がつきましたが、変化を起こそうとは考えられませんでした。

そして後日「そうか、10番目の男のような人か、チームが作れたらよかったのかも」と考え、質問しなかったことを後悔しました。

自分たちの行動やその影響を整理して考える時間があったら、結果は変わっていたかもしれない。

ということで、第5回では10番目の男ではありませんが、1チームに1人観察者を参加させていただくなど、サポート策を考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 

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最後になりましたが、前回の反省

1.「もし○○だったら」と考える

2.   メモなどの細かいところにも注意してみる

3.   私たちを宙から見てみる

1→×

2→△(第1に人を見ること忘れない)

3→△(目的を失いひたすらあたふたしていた)

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次回は

1.「もし○○だったら」と考える

2.   人を見る

3.   冷静に私たちを宙から見てみる

 

ということを意識して挑みたいと思います。